RAIDはバックアップではない(ITエンジニアではない人向け)

こんにちは。RAIDを極力使いたくないITエンジニアのけーのです。

ITエンジニアの間では「RAIDはバックアップではない」とよく言われるのですが、その理由とRAIDを使うべきときとそうでないときを改めて考えてみました。仕事でパソコンを使うけどあまり詳しくはない人や、駆け出しITエンジニアのお役に立てれば幸いです。

忙しい人向けの結論

バックアップはしましょう。RAIDを使うのはやめましょう。

あらすじ

先日、自宅でMacのHDD(ハードディスクドライブ)が壊れて酷い目に遭った友人がおりました。ありがちなことに、彼はバックアップを取っていなかったのです。物理故障だったため復旧は業者に依頼し、紆余曲折を経て無事にほとんどのデータを救出することができたようです。めでたしめでたし。

今後の対策をどうするか?という話題になった時、彼が「やっぱりRAID(ミラーリング)を導入した方が良いのかなあ」というようなことを言うと、複数のITエンジニア系の友人から「RAIDはバックアップではない」旨のツッコミの集中砲火を浴びていました。かわいそうに。

彼のようなかわいそうな人を減らしたいと思い、この記事を書くことにしました。

RAIDはバックアップではない理由

RAIDはバックアップではない理由はシンプル、そもそも目的が違うのです。

RAIDは停止時間を最小化するのが目的

RAIDは「壊れやすい部品が壊れてもシステム全体を止めずに(あるいは短時間の停止後に)稼動を続けられるようにする」ためのものです。重要な業務に使うサーバなどのコンピュータの停止時間をなるべく少なくする目的で作られたわけです。

かつて、HDDは非常に壊れやすい部品でした。現在でもコンピュータの主要部品としては比較的(あるいは最も)壊れやすい部品です。高速に回転するディスクと高速に動作するヘッドが精密かつ長時間動作する必要があるため、物理的に劣化しやすく、必然的に壊れやすくなります。

バックアップはあらゆる障害から復旧することが目的

バックアップとは、ある時点のデータを普段とは別のHDDなどにコピーして保存しておき、普段使っているデータに何かあった時に元に戻せるように備えておくことです。あらゆる障害から元に戻すことができます。

RAIDはバックアップではないとしても、バックアップとして使えるのでは?

わからんのはそこですよね。具体的な例を挙げます。

  • RAIDは、誤って消したデータを元に戻すことはできない
  • RAIDは、誤って上書きしたデータを元に戻すことはできない
  • RAIDは、ソフトウェアのバグで壊れてしまったデータを元に戻すことはできない
  • RAIDは、復旧作業でミスをするとすべてのデータを失うおそれがある(こわい)
  • RAIDは、RAID自体が壊れてしまった時にすべてのデータを失うおそれがある(こわい)

特に最後の2項目が恐ろしいところです。RAIDを使って安心していたら、逆にすべてを失う結果になることもあります。

普通の人は「HDDが壊れた」という状況に遭遇することは人生のうちに何回もないわけで、そこで正確に対処するのは難しいです。これはもうとてもこわいです。実際、「RAIDを構成していたけど復旧作業の際に誤ってすべてのデータを消してしまった」という話もよく聞きます。

というわけで「RAIDを組んだので安心」というのはありえないことです。「もしかしたらないよりはマシかも知れないな…」くらいの認識が正しいです。

RAIDはバックアップではないとしても、壊れた時に安心だから使ったほうがいいのでは?

ITエンジニアでない人にとっては、おそらくRAIDを使うべき時というのはありません。お値段が高い上にトラブル時の復旧が難しくなるだけです。

なんとなくRAIDだと安心感があるイメージがあるためか、RAID機能付きの外付けHDDを販売しているメーカーが「RAIDなので安心!」みたいな売り文句を書いていますが、あの手のものが本当に最適な人というのは非常に限られています。

1台のHDDでは足りないような大容量ディスクを使いたい場合は、複数のHDDを単純に一つに束ねる技術(JBOD)がありますのでこれを使いましょう。HDDの容量がバラバラでもOKだし、RAIDより安く上がると思います。そして、必ず普段使っているHDDとは別のHDDにバックアップをとりましょう。

バックアップ先にRAIDを使うのは?

別に構わないと思いますが、それだけお値段が上がるのでお金が余っている人以外にはあまりおすすめしません。外付HDDであれば、2台買ってバックアップをコピーするなどした方が安くて安全になります。

RAIDはバックアップではない、結論

  1. RAIDはバックアップではない。代わりにならない。
  2. 普通の人はRAIDを使うのはやめましょう。

ITエンジニア向けのRAIDに関する持論はまた別に書きたいと思います。

おまけ1: HDDやSSDの容量が足りないので増設したいとき

HDDやSSDの容量が足りないので増設したい場合のおすすめ対応策は以下のどちらかです。

  1. 内蔵HDDやSSDを大容量SSDに換える。なんならめんどくさいので本体ごと買い換えるのもおすすめです。
  2. 外付HDDを買う。バックアップ先のHDDとは必ず別にします。バックアップ先のHDDがなければ、もう1台外付HDDを買います。

おまけ2: 私が実際に使ってた外付けHDD箱とおすすめできそうなHDD箱

センチュリーさんのHDD 5台搭載可能ケース『裸族の集合住宅5Bay SATA6G USB3.0&eSATA Ver.2』 CRSJ535EU3S6G2 は、個人的に買ったり会社で買ったりして使っていた外付けHDD箱です。RAID機能はありません。eSATAでの使用がおすすめです。USB接続だとたまに接続が切れたりします。

まあ、普通はこんなにHDDをたくさん接続することはないと思うので、HDD1台の普通の外付HDDが良いと思います…
例えば以下のようなもののような。

予算があれば、eSATAやThunderbolt接続の方が高速で安定することが多いのでおすすめです。もちろん、PCにインターフェイスがあることが前提です。