2020-10-08追記: G Suite のリブランドとして Google Workspace が発表されました。新しいプランでは、Enterprise以外は無制限ストレージではなくなります。つまり、本記事の方法で無制限ストレージを使うことは今後できなくなります。やはり無制限ストレージをやると一部のアレな人がマジでアレなんでしょうねえ…
数年前まで無闇にテレビアニメの録画ファイルとかを溜め込んでて一時期30TBくらいのストレージを持っていたけーのです。どうせ全部観ないし一度観たらほとんどは二度と観ないというのに、俺は、一体何を……(今はもう持ってません)
大容量ストレージというのは管理するのがとても面倒なので、クラウドで安く提供されてたら楽なのになあ…と思っておりました。
G Suite Businessの料金改定により、2019年4月2日から 1200円/月/人→1360円/月/人 に値上げされましたので、一部修正しました。
個人向けの容量無制限を謳ったクラウドストレージは全滅した
ここ数年の間、個人向けの容量無制限クラウドストレージはことごとく終了してきました。 Bitcasa, OneDrive, Amazon Cloud Drive などなど…
しかし、今でも現実的な料金で使える容量無制限のクラウドストレージがあります。
Google Driveを容量無制限にする方法
ユーザー数5人以上 で G Suite の Business プランを契約すると、1人あたり1360円/月(税別)で 容量無制限のストレージが使えるようになります 。つまり、GmailやGoogle Driveの容量が無制限です。
「容量無制限」を謳いつつ終了してしまったサービスと違い、G Suiteの場合はビジネス向けなので、そう簡単に終了することはない…と思います。思いたい。
G Suite Business は個人で契約できるのか
主に組織向けではありますが、法人でなくても契約できますし、5アカウント登録すれば無制限になります。信頼できる友人を集めて登録するのもアリでしょう。(私は実際にそのようにもやっています)
G Suite Business の契約に必要なもの
クレジットカード
Googleさんに登録し、毎月の支払いに使います。JCBブランドのカードも使えるのでさすがGoogle先生となります。
Google Asia Pacific Pte. Ltd. というシンガポールの会社で売上があがるので、初めて課金されたときにクレジットカード会社から「海外利用だけど大丈夫か?」みたいな連絡が稀に来たりします。
独自ドメイン
独自ドメインを割り当てて、そのドメインでG Suiteアカウント(Googleアカウント)を作る形になります。短くてかっこいい名前のドメインを取りましょう。
私の場合は、アカウント移行がめんどいのでメールは @gmail.com に転送するようにして、大きいストレージを使うときだけ独自ドメインのアカウントを使ってます。
ドメインを管理するDNSサーバ
私の場合、DNSサーバはAWSのRoute 53を使っています。料金は1ドメインあたり1USD未満/月です。とても楽で自分でDNSサーバを構築して管理するより安全で安いです。今時、権威DNSサーバを自前管理する必要はないと思ってます。
Googleアカウントの容量が無制限になるといいこと
実用上どんなに大きいファイルでも保存できる
当然、たくさんの大容量ファイルをいくらでも保存できるようになります。やったぜ。
1ファイルあたりの最大容量は5TBまでです(2018年8月現在)。この点でも実用上は無制限と言えるでしょう。
Google ドライブへのファイルのアップロード – G Suite 管理者 ヘルプ より:
各アカウントやチームドライブでアップロードまたは同期できる個々のファイルサイズの上限は 5 TB です。1 日で 750 GB をアップロードすると、その日はそれ以上ファイルをアップロードできなくなります。Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドには、固有のファイルサイズ上限が設けられています。
管理者とユーザーが楽になってストレスフリー
実際、ビジネスで使用しているデータのうち、特に重要なデータはそこまで大きくないのですが、容量がいっぱいになってしまう心配をしなくて良いのは心理的にとても楽になります。
以前、某社では一人あたり30GBまでの制限付きのBasicプランで使っていたのですが、そうするとやたら大量のメールを受け取っているユーザーの容量がいっぱいになってしまうことがありました。そういう問題が発生して問い合わせを受けた時は、正直「知らんがな」という気持ちになってしまいながらも要らないファイルや古いメールを本人に確認しながら削除していました。そのようなどうでも良い問題で時間を失うのはお互いに不幸です。容量無制限には価値があります。
Google Driveを容量無制限で使う時にあると便利なもの
高速でアップロード制限がゆるいインターネット回線
法人なら、法人向けのインターネット回線を契約しておきましょう。ベストエフォートの回線でも十分速いです。某社では毎日700Mbpsから850Mbpsくらい出ている時があります。
また、Google Driveのサーバへのファイルコピーでは300Mbpsから450Mbpsくらいの速度が出ています。これくらいの速度だと、ほとんどの用途で快適に使えますね。
やむを得ず個人向けの回線を使用する場合、特にISPの規約に注意しましょう。短期間に大量のデータをアップロードすることを禁止していることがあります。私はうっかりこれをやってしまい、「次やったらお前との契約を全部強制解約するからな!(意訳)」というお怒りのメール(物理)をいただいたことがあります。こわい。
規約にある容量よりかなり大きく上回らないと警告は来ないようなので、一般的な使い方であれば大丈夫だと思われます。
フレッツ回線を利用していて、どうにも遅いという場合はIPv6やDS-Liteを使うと改善されるかも知れませんのでご参考までに→ 【追加料金なし】自宅の光回線のインターネット速度がとても遅いのでIPv6とDS-Liteの設定をやってみたら快適になった件【WAKWAK for マンション全戸光(フレッツ光ネクスト)】 | けーのブログ
Google Drive File Stream
Google Drive File Stream を導入すると、ローカルドライブのようにファイルを読み書きでき、自動的にクラウド側と同期されます。DropboxやOneDriveのようなやつですね。WindowsとMacで使えます。
リリース直後は、インストールするとエクスプローラの画像サムネイルが表示されなくなったり挙動が不安定だったりしてました。現在のところは安定して使用できています。
あまり困っていませんが、Windowsでは1つのアカウントで使用することを前提としているようで、2つのアカウントでサインインすると片方のアカウントでは一切使用できません。ドライブレターを割り当てる仕様のため、セキュリティの観点からは仕方ないものと思われます。このへんはMicrosoftがやってるOneDriveのほうがちゃんと動きそうですね。
LinuxだとGoogle Drive File Streamは動きませんが、fuseでmountできるオープンソースのサードパーティ実装があるようです。 google-drive-ocamlfuse/src at beta · astrada/google-drive-ocamlfuse · GitHub
OCamlで実装されているというのが渋い。試したことないのでどれくらいちゃんと動くのかはわかりませんが、ググったところ結構使ってる人はいるようです。
Google Driveを容量無制限で使う時の注意点
無意味にでかいファイルを保存したり、ランダムなデータを生成して送りつけるなどの邪悪な行為はやめましょう。最悪、アカウント停止されるかも知れません。知らんけど。
Google Drive へのバックアップを自動化
rclone というのを使うと簡単にリモートバックアップができて便利です。(要CLIを使うスキル)