【追加料金なし】自宅の光回線のインターネット速度がとても遅いのでIPv6とDS-Liteの設定をやってみたら快適になった件【WAKWAK for マンション全戸光(フレッツ光ネクスト)】

ヤマハルーター RTX1210 孤独のIT
ヤマハルーター RTX1210

会社のネットワーク管理もやっているけーのです。が、なんやかんやで忙しかったので自宅のネットワークには無頓着でした。

ヤマハルーター RTX1210

結論

NTTのフレッツ光ネクスト系のインターネット接続が遅いと思っている場合、IPv6とDS-Liteを使ってインターネットに接続すると追加料金なし(※1)で劇的に速くなります(※2)。

  • ※1 契約内容によっては有料オプションの追加が必要です。ISP(プロバイダ)を変更する必要がある場合があります。ルーターの買い換えが必要な場合があります。
  • ※2 個人の感想です。

なお、混雑時間帯(20時~23時頃)は常に1Mbpsを下回り、時には0bpsとなり、モバイル回線のほうがマシな我が家の回線でしたが、IPv6+DS-Lite接続することによっていつでもダウンロード20Mbps以上、アップロードは50Mbps以上、ping(RTT)は7msという快適Wi-Fiインターネット環境になりました。(有線接続だともうちょっと速いと思われます)

「今時それだけかよ」と思う人もいるでしょうが、月額500円2000円で理論値最大100Mbpsのサービスなので満足しております。

あらすじ

現在住んでいるマンションに引っ越した際、インターネット接続契約が強制的に付いてきたので、以前から使っていたルーターYAMAHA RTX810のPPPoE設定をそのまま(ユーザー/パスワード情報だけ書き換えて)利用し、一応使えていたので一年ほどそれで使用しておりました。

契約は「WAKWAK for マンション全戸光」というフレッツ光ネクスト+WAKWAK(NTT-ME)のマンション全戸一括契約のもので、「このマンションに住んでいる限り解約が事実上不可能」「wakwak以外のISPを使いたい場合はこの契約を維持したまま別に契約をする必要がある」というものでした。

なんか遅いなー、というか、時間帯によっては一切パケットが流れない状況すらあるなー、と思いながら面倒なのでそのままにしていたのですが、先日とうとう嫁から強めの苦情が来たのでなんとかしようと重い腰を上げました。

IPv6とは

普通の人は「なんか新しいインターネットの通信方式で、速くなるらしい」くらいの認識で大丈夫です。読み飛ばして下の「IPv6とDS-LiteによるIPv4接続を使うには」に行きましょう。

普通じゃない人はWikipediaでIPv6とかKAMEプロジェクトとか関連項目や外部リンクを読んで行くと無限に時間を潰せて危険なのでオススメです。

IPv6だとなぜ速いのか(フレッツのIPoE接続)

NTTのフレッツでIPv6(IPoE接続)を利用すると「IPv4(PPPoE接続)でのボトルネックを回避できて結果的に速い」ようです。別に「IPv6だと無条件で速い」というわけではありません。

詳細はIIJさんの「てくろぐ: IIJmioひかりの混雑の理由とバイパス手段(IPoE・DS-Lite対応)」を読んでいただくとして、要するにフレッツのIPv4(PPPoE接続)の場合「NTT局内のPPPoE網終端装置にトラフィックが集中するので混雑して遅い」ということだそうです。なぜ網終端装置を十分に増設できないのかについてはNTT内のルールだそうです。参考:
フレッツ回線が遅すぎる問題を IPv6/IPoE と DS-Lite で解決した – CUBE SUGAR CONTAINER

じゃあなんでみんなIPoEを使わないのかというと、以下の理由が考えられます。

  • そもそも一般に知られていない。
  • ISP(プロバイダ)の対応がまちまち。
  • 利用するまでのハードルがある。
    • IPv6接続が有料オプションである場合がある。
    • (IPv4接続を高速化するために)DS-Lite対応ルーターが事実上必須だが、普及していないので買い換える必要がある。
    • 調べたり設定したりするのがめんどくさい。(私はこれでした)

逆に言うと、今ならほとんど使っている人がいないと思われるので、非常に高速で快適にインターネットを楽しめる可能性があります。というか、実際に私はそうなりました。

DS-Liteとは

IPv6接続しかない環境でIPv4ネットワークにも接続できるようにするための技術です。参考: IPv6移行技術 – Wikipedia, RFC6333 Dual-Stack Lite Broadband Deployments Following IPv4 Exhaustion

日本においては、DS-Liteを利用した有名サービスが「transix」という名前なので、機器や接続サービスで「transix対応」などと謳われている場合もあるようです。

ちなみに「俺はIPv6だけで生きて行く」という尖った未来に生きている人にはDS-Liteは不要です。IPv6非対応のWebサイトはまだまだ多そうなので生きづらそうですが…

IPv6とDS-LiteによるIPv4接続を使うには

「詳しいことはよくわかんないけど速いインターネットが欲しい」という場合に必要なのは以下の3つです。

  1. ISP(プロバイダ)の対応
  2. フレッツv6オプションを有効にする
  3. DS-Lite対応ルーター

ISP(プロバイダ)の対応

ISP(プロバイダ)が対応している必要があります。IIJmioなど何社かは接続できることが謳われています。しかし、WAKWAKのように特にDS-Lite対応を謳っていなくても接続できることもあるようです。

現在ご利用のISPがIPv6(IPoE接続)に対応していて、他の条件もクリアできるなら、とりあえず試してみるのも良いと思います。

フレッツv6オプションを有効にする

最近契約したフレッツ光ネクストを用いたサービスの場合、既に有効にされている場合もあります。契約内容を確認しましょう。私が使っているWAKWAK(NTT-ME)の場合、2017年12月1日以降に契約した回線はすべて有効になっています。参考:
IPv6接続機能 | 会員サポート | WAKWAK

有効になっていない場合、有効にする方法は3つあります。

  1. NTTの「サービス情報サイト」に自分で接続して設定する。
  2. ISP(プロバイダ)に代理で設定してもらう(新規契約の時はこれが普通になっている場合もある)。
  3. NTTに電話等で問い合わせして設定してもらう。(NTT東は有料、NTT西はやってもらえないらしい)

DS-Lite対応ルーター

家庭用ルーターの場合、DS-Lite非対応品は(おそらく)使えません。軽くググってみると、最新の製品だと結構対応しているようです。個人的には、家庭用ルーターならNECの製品がオススメです。NECさんは、高品質が求められる業務用ネットワーク機器も長年手がけているので、それなりに信頼できます。たぶん。

2019-04-22追記: 上でも紹介している NEC Aterm PA-WG1200HS3 を嫁の実家に設置したんですが、ONUとLANケーブルで接続して電源入れただけで何も設定せずにIPoEでインターネットに接続され、DS-Lite(transix)によるIPv4接続もできてました。すげえ!ってなったけど、良く考えるとできて当然のような気もしました。うーん、知らないうちに色々と進化しているんですね…

業務用ルーターの場合は、古い製品でも大抵対応可能であるようです。私の場合はヤマハのRTX810が自宅で稼働中だったので、これを使いました。

RTX810(ヤマハルーター)の場合の設定方法

ヤマハのルーターなら、RTX810以外でも同じ設定で動きます。ググると色々と出ますが、基本的にヤマハ公式サイトを見ると間違いがないです。ずっと変わらない、なんだか安心するデザインのrtproのサイト、好きですよ。

IPIPトンネリング

transixのサイトにも設定例が載っています。コピペすればだいたい動くと思います。

http://www.mfeed.ad.jp/transix/ds-lite/contents/yamaha_nvr500.html

ポイントは、NATの設定が不要なところでしょうか。DS-Liteの場合、トンネルの先でNATがかかりますので、こちらでのNATは不要です。ということは、普通の方法ではサーバー公開できないので、自宅サーバーで色々やってる人は何か対策を打たねばなりません。

光回線インターネット接続を速くするDS-Lite以外の方法

  1. 「MAP-E」や「v6プラス」を使う。
  2. そもそもこんな面倒な問題が発生するのはフレッツの歴史やNTTの体質やNTT法のせいなので、NTT以外の光回線を引く。

「MAP-E」や「v6プラス」を使う

DS-Liteと類似の目的を果たす技術・サービスで「MAP-E」「v6プラス」というのもあります。ISPによってはどちらかに対応していることがあるので、調べてみてください。

NTT以外の回線を引く

結局のところ、地域差もあるのでどれが良いかは人(家)による、ということになってしまうわけですが…それなのに、一定期間契約を継続しないと違約金がかかる系の縛りが多いのでご注意ください。

あと、NTTの固定電話番号を持ってると移行できなかったり、できても手数料がかかったりするようです。

auひかり (KDDI)

顧客満足度は高いらしいので、まあまあ速そう。

接続時にレンタルで提供されるルーターのMACアドレスを見ているので、レンタルルーターをそのまま使うか、MACアドレスを書き換えられるルーターを使わないと接続できないそうです。普通じゃない人はご注意ください。

NURO光 (So-net)

ソニー系列のSo-netが展開している光回線インターネット接続サービスです。NTTの光ファイバーを利用していますが、ボトルネックとなっているNTT局内のPPPoEを使わないので速いそうです。実際のところは使ってみないとなんとも言えませんが…

月額4743円(税別)でWi-Fiルーターレンタル込みなのは、まあまあ良い気がします。基本工事費40000円(税別)がちょっとアレですが、キャンペーンで無料になったりすることもあるようです。

あとがき

インターネットめんどくせえな!

タイトルとURLをコピーしました